ムーンプランナーの原型は、私が手書きで作っていたスケジュール帳でした。
方眼ノートに、新月の欄を大きく取り、ほかの日付は小さめ。
ページが足りなくなったので、次のページを開けて満月の欄を大きく取って・・・。
(ちなみに、トラベラーズノートの方眼を使っていました)

なんでこんなめんどくさいことをしていたのかというと、その時の私の仕事は土日がメインの受付だったせいです。
しかも休みは水曜か木曜、あるいは現場によっては火曜日ということもありました。
となると、土日が後ろに来るレイアウトのスケジュール帳が使いにくいことこの上ない。

それと同時に、私はもうひとつの「仕事」を抱えていました。

私の実家は田舎でレストランを経営していたのですが、過疎化の影響などもあり経営に行き詰まっていました。
「どうにかならない?」といわれて、頭を抱えていたのですが、どうにかするにしても私は東京で受付の仕事をしているし、実家は長野だし、そうそうことが運ぶとも思えませんでした。
がしかし!やらねばならない!

今の時代、インターネットがあるではないか!ネット通販だ!いま作れるものを通販するんだ!
ということで、考えに考えてマシュマロ専門店をネットでやることにしました。

これが、実に厄介で。

何からやっていいやら、まったく見当がつかない。もちろん経営の知識があるわけでもない、webの知識があるわけでもない、でもやらないと借金が返せない!
必死でした。
やることが山ほどありました。しかも、どういう順番でやったらいいか、正直さっぱりわからない。

ちょうどその頃流行っていたのが、新月の願い事でした。
新月の日に願い事を2個以上10個書くと叶うというものです。
藁をもつかむという気持ちでそれを書いたりもしましたが、それにも比較的すぐに飽きてしまいました。

そうじゃなくて、ぼんやりした願い事なんかじゃなくて、新月にはもっと具体的に事業計画を立てよう。
それから、新月から満月にかけては「大きくする、広げる、吸収する」ことが進むというから、広告などは新月から満月の間にやろう。
満月には一度休憩を入れて、満月後は一回片づけをしよう。
そして満月から新月に向かっていくときは、業界の調査や顧客管理、次の準備をするといいといいらしい。この時に結果がでなくてもそういう時期だからあせらなくてもいい。着々と次の手を仕込んでいけばいい。

上司もいない、取引先もない。
顔色を伺う相手がいないのだから、何をやったっていい。
月の満ち欠けを基準にしたって、誰も怒りはしない。
それに、これでうまくいったら儲けものじゃないか。どっちにしたってどうにかしなきゃいけないんだから。

そう思って、まずはカレンダーそのものを作り変えることにしたのです。
土日や曜日の並びはそれほど重要じゃない。
だったら、ページ頭に新月を持ってきて、その日にいろいろ書き込むことが多いから大きくスペースをとろう。
新月から満月までの間にやることと、満月から新月の間にやることは違うからページを変えよう。

これが、ムーンプランナーの原型です。

これを使うようになって、わずか3年ほどでマシュマロのweb通販はテレビや雑誌に取り上げられたり、売り上げが爆発的に伸びたり、自分でも我が目を疑う状況になりました。

次回は、ムーンプランナーを具体的にどんな風に使っていたかを書きたいと思います。

yuukee01