ハウルの動く城が好きです。

さえない女の子が魔女の呪いでおばあさんになっちゃったけど、なんとかその呪いを打ち破ってイケメン魔法使いとめでたしめでたし、みたいな話の印象が強いと思いますが、原作を読んだりすると全然違うのです。

主人公の女の子ソフィは、実は無自覚にもものすごい魔力の持ち主です。
死んだ父親の残した帽子屋を継いで毎日帽子を作るのですが、その時に知らず知らずのうちに彼女は魔法をかけていました。
この帽子をかぶると10歳も若く見えるとか、お金持ちから求婚されるとか、そんな感じに。
でもソフィ自身は帽子を丁寧に作っているだけです。
その魔法に気づいた荒地の魔女が、ソフィの魔力を封じようと呪いをかけに来ます。
その呪いはおばあさんになるのではなくて、「自分の思っている精神年齢の姿になってしまう」という呪い。
だから彼女は若くなったりおばあさんになったり、50代くらいのおばさんになったりを行ったり来たり。
そこらへんは映画のすごさというか、彼女の年齢で心の機微が手に取るようにわかるのです。
「ソフィはきれいだよ!」といわれた瞬間におばあさんになってしまう乙女心!
あれは長女という病です。(長女のわたし、死ぬほど共感)

ソフィは、荒地の魔女よりも、ハウルよりも強い魔法が使えるのではないかという魔力を持っています。
でも気づいていないどころか、ふつうの魔法のない生き方さえあきらめているようなやる気のなさ。
そこに呪いをかけられたせいで、逆に自分の足で歩いて行かないといけないと気づき、自分で歩くことのすばらしさにも気づいていく訳です。なにがきっかけで自由が訪れるのかわからないものです。

↑原作の小説、よいです。とても

ハウルの城にいっても、ソフィは無自覚にたくさんの魔法を使っています。
でもやっぱり無自覚。
ただの願い事程度にしか思っていません。

なんでこんなことを書いているのかというと、いま必死にムーンプランナーの後半編を作っています。
必死というのもおかしなものですが、これでいいのか、この形がいいのか、答えがないなかで最善を探していくのは、なかなか必死な作業です。
その時に、いつもソフィが帽子に向かってつぶやいていたような「願い」が大量に湧き上がってくるのです。

これが役に立ちますように。
苦しみを取り除きますように。
苦難に立ち向かえますように。
よいことがたくさん起こりますように。
幸せをつかむことができますように。

わたしには魔法は使えないし、この世界に魔法はないといわれています。
ムーンプランナーも、ただの紙に印刷したカレンダーです。
でも、魔法をかける心意気で作っています。

手帳作りだけではなく、TwitterやFacebookページの文章も、
いつもそう思って、そう願って、迷いながら書いています。

全員にとっての正解なんてないんです。
幸せのかたちもそれぞれです。
誰かの良いことは、誰かの悪いことになるのは日常茶飯事です。
それでも、わたしたちはどうしても生きて行ってしまう。
時間だけは進んでいく。

わたしたちが作っているムーンプランナーは、大げさに言えば時間をつかさどる道具です。
そしてすべての人は時間と無関係にいられないし、月は地球上のあらゆる場所から見えます。
世界規模の仕掛けが、ムーンプランナーの中には入っています。
でも共通するのはわずかなことだけかもしれません。

だから、願わずにはいられないのです。

よいことも、そうでないことも、すべてがうまくいきますように。
ムーンプランナーがあなたにとって素晴らしい時間をもたらしますように。

アイディアノートに、なんども書き直していたことばです。
本当は別のコンテンツを作ろうと思って、あれこれ書いていた途中だったんですけれど。

きっと大事なことなんだと思います。

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