暗闇こそが始まり

今年は朔旦冬至(さくたんとうじ)です。12月22日月曜日。
これは冬至と新月が重なる冬至のことで、周期的には19年に一度ということになります。

冬至は風水では大変重要視されている日です。
風水発祥の古代中国では、この朔旦冬至は非常におめでたい日という事で宮中では宴が催されていたということです。

風水についてはあまり詳しくないのですが、冬至は「陰極まりて陽となる」という日です。
陰が極まって、陽に転じる。
この最も暗い日こそが陽のスタートとされるのです。
陽は単純に太陽ととらえることもできますし、そのほか多くの陽に基づく事柄とも言われているようです。

つまり、冬至は年単位での新月みたいなものです。
そこに毎月の新月が重なるということで、はじまりの気が2倍!いやもっと!みたいな感じでしょうか。

それにしても、この太陽のでている時間が一番短い日で、全く月が見えない新月を重ねた暗い暗い日を特別な日と定めた古代の人の知恵は、今を生きる人にとっても重要な意味がある気がします。
夜の暗闇は電灯の明かりで克服し、真冬の寒さにもあらゆる手段で対抗している現代ですが、その暗闇や寒さをすべて消すことはできません。
暗闇や寒さはいまだに私たちのそばにいます。
そして古代の人たちは、そのもっとも暗い日こそ、はじまりの日だというのです。

西洋占星術では春分の次の新月を「月の元旦」としているところがあります。ムーンプランナーもそれに従って春分の次の新月から始まります。(後半は秋分の次の新月です)
春先のスタート感は非常に納得感がある躍動を肌で感じ取ることができます。でも、冬至はすべてが冷たく、とても暗く寒いのです。そこがスタートだと言われても、体感的にはあまり納得できません。
けれど、長い目でみていくと、確かにこの寒く冷たい冬至が春のはじまりなのです。

よく「夜明け前が一番暗い」といいます。
その言葉通り夜明け前が一番暗いのかどうか、わたしは知りません。
ただ、確かにその暗闇こそがはじまりなのだと思うのです。
暗闇だから、自分がどこにいるのかも、何をしているのかも、どこへ向かうのかもわかりません。
わからなくて、わからなくて、つらいです。
だけど、その暗闇がないと、本当のスタートが切れないのです。

時々、生きているとあり得ない暗闇に突き落とされるような時があります。
本当の暗闇は、何も見えないです。
それゆえに、人と比べることもできません。
よく「あなたは人より恵まれているのだからこんな事で苦しむなんて」というような事を言う人もいますが、暗闇の中にいる人はその暗闇の濃さを人と比べることはできません。
私も結構大変な目にあったなーと思うこともありましたが、「それをシベリア抑留された人にいえんの?」と言われたら、申し訳ないくらい小さな事だと思います。
でもつらかった!本当に大変だった!
暗闇は人とは絶対に比べられないんです。

だからこそ、本当の純粋な自分自身と向き合わざるを得ない。
そしてそれが、あなた自身を取り戻す「はじまり」になることは、往々にしてよくあることです。

暗闇は、はじまりです。
あなたがあなたを取り戻す場所です。
それをおおげさな表現で、生まれ変わる体験、という人もいます。

この暗闇が、あなたにとって大いなる祝福でありますように。
悲しみや苦しみも、この暗闇ですべからく正しい場所へ帰っていきますように。
その暗闇が、いつか暖かく温もりに包まれますように。
どうかそれまで、あなたががんばれますように。

そうそう、冬至には「ん」が二つつく食べ物を食べるのが幸運を呼ぶのだそうです。
最もメジャーなかぼちゃは「なんきん」。後は、ぎんなんとか、饂飩(うどん)=うんどんとか。
「ん」は、阿吽の吽で、最後の最後の音。それが陰の極み=最後、という意味で、冬至に食べるとよいとか。
カボチャ入りのほうとうは、うどんとしてカウントできますか?そしたらダブルの効果ですか?(なんか洗剤のCMみたいになってきた・・・)

また、せっかくの朔旦冬至ですから、来年一年間のことだけではなく、この先19年の予定なんかを考えるのもいいかも!←いま思いついた
19年後かー。何歳になってるのか、どこに住んでいるのか、仕事は、家族は・・・。
周りの人も同じだけ年を取って、子供は大人になって、結婚したり子供が生まれているかもしれません。

ついでにこの日は大安吉日です。
とっても良い日っぽい。
わたしは風水や暦の知識は聞きかじった程度なので、詳しい事はご説明できる立場ではないのですが、とにかく一つだけ確実なのがお掃除!
この朔旦冬至のエネルギーを全力ゲットしたい方は、お掃除してスタンバイするのもアリだと思います。

お片づけが苦手な人こそ、『月が欠けていく汚れ落ちの良い時期』×『朔旦冬至の直前』というこの最高のボーナスタイムを有効活用して、ちゃっかりお掃除お片づけしてしまいましょう。
年末の大掃除の時期ですしね。一石二鳥。

この暗闇が、よきスタートになりますように。