今回MOON PLANNER BOOKのテーマにしたのが「無意識」です。
月は夜のイメージでもあり、睡眠や無意識を司るとされています。
占星術でも、月は無意識を司ります。

それに対して、太陽は意識を司るのです。

多くの手帳、スケジュール帳は太陽の時間で作られています。
現代の暦は、太陽暦といいますね。太陽の周期をベースに作られた暦です。
昔の月の満ち欠けがベースとなっている暦は太陰暦といいます。

現代の手帳、スケジュール帳は、太陽の手帳。意識の手帳。
「意識をより明確にする」ためのツールと言い換えることができると思います。

目標がある人は、それをより明確に意識することができるようになりますし、時間感覚もはっきりとします。
ほかの人と約束をする時にも、あいまいな「もう少し月が細くなってから」ではなくて「何日後」というはっきりした約束を交わすことができます。
意識化するという事は、とても重要な事です。

それが、ある意味行き過ぎになっている事が、ときどき起こっているような気がするのです。

意識化できない事を罰するような態度もみられます。
たとえば、「もっと意識してみないから失敗した。もっと注意しなさい」とか。
「ちゃんと目的意識がないから、いつまでも成功しない」とか。
「無意識にやるから、失敗する」とか。

意識化することはすべてを解決する、というようなニュアンスが強くなっていないでしょうか。
そして無意識は悪いもの、というような感覚が、その裏にないでしょうか。

多くの人が知っているように、無意識の領域はとても大きいそうです。
有名な氷山の図を見たことがある人も多いと思います。
意識は1、2割、残りは全部無意識に当たるといわれています。
それなのに、自分の大部分である無意識を否定するような考え方はコンフリクト(矛盾)を生じさせてしまうでしょう。

しかし、本当に困ったことに、無意識はみることも触ることもできません。
推察するくらいしか、できないのです。
自分のことなのに。

ムーンプランナーは、単なる手帳です。
そのほかの手帳たちと、なんら変わりません。
少しばかりレイアウトがおかしいだけです。

それでも、太陽の手帳のように「意識化する」事に焦点が当たっているものではなく、「無意識にもアクセスできる」形を目指したいと思っています。

無意識は、簡単なものではありません。
そこをコントロールしようとするのは、非常に難しいし、簡単に触れてはいけない・触れさせてはいけない部分でもあります。
かといって、そこは凶暴なものではなく、あなた自身を最も支え、受け止め、生かしてくれる部分です。あなた自身がどんなに自分の事を嫌っても、無意識は絶対にあなたを見離したりはしないし、圧倒的にあなたを守ろうとしてくれます。
そこに、そっとアクセスするための手帳。

最初は全然わからないと思います。
それでも、ムーンプランナーに書き込んでいくと、なにかうっすらとリズムのようなものが見えてくると思うのです。

「意識しようとしてもできない」ことを罰するのではなく、そこから浮かび上がる事をそっとたどっていく。
ただそれだけ。
そうやって、少しずつ、自分の無意識に漕ぎ出せるような、そういう手帳になるといいな、と。

そんなことを思って、MOON PLANNER BOOKを作っています。

発売は、3月初めの予定です。