14ヶ月、ムーンプランナーを売ってきました。
そして、銀行口座に100万円が現れました。

こういう表現はおかしいのかもしれませんが、100万円が現れたのです。
もちろん、まっとうに手帳を作って売って、お振込いただいた金額です。

自分の持ち出しも多いし、この100万円から印刷代や送料をがつーんと支払うので、実に一時的な最大瞬間風速的な金額なのですが、それでもすごい金額だなあと思います。

100万円は、事業をしている人にとっては、大きなお金ではありません。
個人で見ると立派な金額に見えますが、ふつうにお勤めをしている人でも100万円を作ることはそれほど難しい事ではないでしょう。

それでも、この100万円は、私たちにとって、それこそ輝かしいトロフィーのような数字です。
ゼロ円で起業した小さな小さなマイクロビジネスのムーンプランナーにとっては、本当にすばらしい金額です。
誰が買うのかわからない手帳を500冊も印刷して始め、売れたと言っても儲けはほんの少し。印刷代も送料も、梱包費用も、ネットショップを開くにも年会費やサーバー代や手数料がかかります。卸に出したら、売上はさらに削られ、売れた売れたと喜んでも、実際に振り込まれるお金は数千円だったりします。
そんな事を繰り返して、本当に1mm、1cmと進んできて、この4月に100万円が現れました。

ここから印刷代とかが20万円、30万円と出て行く訳ですが、だとしても次の印刷代は確保できました!
様々な年会費や手数料も一括でお支払いできるだけの金額になりました!
必要な書籍もちゃんと購入できる!印刷ももう少し凝った加工が可能!

「再販はありますか」「次は予約できるようにしてください」とお問い合わせを頂くMOON PLANNER BOOKもちゃんと印刷できそうです!(今度はちょっとしっかり情報を入れたいので、2冊立ての予定です。2冊を印刷するのはそれなりにお金が必要だったので、やっと実現可能になりました)

ビジネスを始めると、やってみなくてはわからなかったことがたくさん出てきます。
お金というのは、実は副産物だということがわかったのも、自分でビジネスをしなくてはわからないことでした。

ビジネスは、もちろん売上を求めて動かされます。
市場原理です。
でも、本当にそうなんだろうか。そのせいで、事業に失敗して大変な目に遭う人もたくさんいて、勝ったものしか生き残れない、そんな世界でしかないのだろうか。
そういった問いがずっとありました。

でも、実際にビジネスをはじめて思うのは、もちろんそういう骨組みを持っているけれども、それ以外の効果もたくさんある、ということでした。
ムーンプランナーは「社会の当たり前のカレンダーで生活することに息苦しさを感じる人を少しでも減らしたい」「与えられた時間ではなく、自分自身の時間の流れをしっかりと感じて生活していきたい」という願いが根っこにあります。
ムーンプランナーが売れるということは、その願いが叶う可能性が増えたということです。

わたしは、不遜な言い方かもしれないんですが、息苦しいと思いながら毎日を過ごしている人をほんの少しでも楽にしたいのです。
ずっとわたしも苦しかったから。今だってそれなりに苦しいから。
だから、少しでも、そういう人を減らしたい。
それが願いです。おこがましいけれど、そう願っているのです。

だから、ムーンプランナーが売れるということは、その苦しみを少し減らす事ができたかもしれない、ということです。
本当に苦しくなくなったかは、わかりません。
ムーンプランナーを買ったけど使わなかった、使ったけど別になにもなかった、という人も多いでしょう。(なので、もっとちゃんと効果を感じるようなメッセージを追加で作っていかないといけないなあと感じているところです)

しかし売上が立つということは、その可能性が増えたという事です。

その段階ではまだ夢が叶ったとはいえないでしょうし、もしかしたら、ぜんぜん的外れなことをしているのかもしれません。
でも、それでもわたしは作らずにはいられないし、まっとうに売っていきたいと思っています。

だから、お金というのは副産物に過ぎないのです。

もちろん、年間何冊売りたいという目標はあります。2015年はこれくらい、2016年にはこのくらいいきたい、と。
でも、それは単純に周りの人が納得するような数字を掲げているだけです。わたし自身は、もっとそれ以上のものを望んでいるのです。
おこがましいけれど、誰かを、苦しさから救えますように。
とてもとてもおこがましいけれど、少しでも楽に息をして、困難に立ち向かっていけますように。

別に全員が月のリズムで生活したらいい、なんて思わないです。
変な話ですが、自分のリズムを作れるなら、月の満ち欠けに頼る必要もぜんぜんないのです。
ただ月の満ち欠けほど安定していて、古代から続いていて、影響力が大きなものはなかなかないので、それを利用しているだけなのです。
お月さまはみんなのものです。国境も時代も関係なく、人間も動物も植物も鉱物もすべてがその影響下にあり、これ以上なく平等な存在ですから。

他者や社会から押しつけられた時間に対する息苦しさが減り、自分自身をしっかり感じ取れる時間が増えること。

とにかくわたしはそんなふうになっていけばいいなと強く強く願いながら、ムーンプランナーを作って売っています。