熊本地震災害義援金に売上を全額あてる寄付付きムーンプランナーを販売し、100冊が即日完売となりました。追加でまた100冊在庫を出しています。

まだご入金がすべてそろってはいませんでしたが、先に日本赤十字社の熊本地震災害義援金あてに100冊分、86,000円をお振込みしてきました。

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チーム諭吉と、チーム英世。窓口で手続きすると手数料が不要です。なので、まるっと使ってもらえるように現金をどーんと窓口に持っていきました。実際並べると、なかなか壮観でございます。

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こちらが払込受領書。証明書になるものです。

寄付という行為について、今回ずいぶんと考えさせられました。

最初は個人的に「今の事業規模なら5万円くらいの寄付かなあ」と考えていたのですが、もう少し考えて、もっとできる事をしようと思いました。

できる事というのは、私にとってはムーンプランナーを売るという事です。

手帳を売ることで、買う人の気持ちを少しでも上向きにすること
それがわたしのできる事だと思います。

寄付を集める事には、少々迷いがありました。
個人や小規模で寄付金を募るというのは、かなりの割合で寄付金詐欺が起きるからです。
当店でも信用されるかどうか。むしろやらない方がいいのではないかという気持ちもありました。

でも、いまは「何かしたいけど、できない」という不安や無力感に苛まされている被災地域以外にお住いの方の気持ちを落ち着かせるための行動をしなくてはいけない、と思っていました。

私たちは、被災地域のためにできる事は、ほとんどありません。
いくつもの大きな災害を通じて、それを学んできました。
でも、現在もその学びが生かされず、できない事を数え上げて無力感に苛まされ、いつか自分も家や家族を失うのではないかという恐怖心に煽られて、居ても立っても居られない状態になっている人が、たとえばツイッターを見ているだけでも何人も見受けられました。

出身が被災地域、ご家族がそこにいる、など、とにかく心が落ち着かない方は、もう近くの方が励まして差し上げるくらいしか方法がないかもしれません。が、とりあえずわたしがいまできること、被災地と直接関係ないけれど何もできなくて心が暗くなっている人の気持ちを少し引っ張り上げるような事をしなくてはいけないと思いました。

単純な募金ではなく、もっと大きくできる事。

しばらく考えて、売上を寄付することを思いつきました。
そもそも当店はまだ規模が小さいので、お金を動かすのも金額は小さいものです。お金でできる事以外で、今の当店ができる事はなにかと考えて出てきた答えです。

寄付になると思えば、今まで買うかどうか悩んでいた人も買うかもしれない。
寄付だと気持ちが少々軽くなるかもしれない。
だとしたら、新しいお客さんが増える事になるし、誰が買ってくれるかわからない広告費にあてもなく何万円も使うよりは、ずっといいと思いました。
それに寄付できるお金も増えるかもしれない。

買う人だって、ちゃんと通常通り商品が届くのだからなにひとつ損はしません。
むしろ得するくらいです。

という事で、少々の迷いもありましたが、寄付付きの販売を始めました。

在庫はあるので問題なかったのですが、全部を寄付するとなると当店は売上がゼロになる可能性もあり、そこも非常に悩みました。

が、普通に5万円寄付するのと変わらないと思えば!
と、不安もありましたが、販売数を加減して、やってみる事にしました。

そもそも地震直後からご注文がピタッと途絶えていたので、このまま販売できずに廃棄することになるなら、売るだけ売って九州に送ったほうがましだ!今まで手に取ってもらえなかった人に買ってもらえるチャンスになるなら、むしろタダでもやるべき!と。

結果、たった1日足らずで100冊が完売しました。
一緒にムーンプランナーブックなどもご購入いただいたので、利益もある程度確保でき、思ったよりたくさんの在庫をあてることができました。

そして、まだすべてのご入金が確認されてはいませんが、先に100冊分のお金を持っていこうと思い、上の写真の通り、日本赤十字社の義援金口座にお送りいたしました。
追加で発売中の100冊分は、より直接届くよう、熊本県が義援金を募っているそうなので、そちらにお送りしたいと考えています。
大分にもお送りできればと思うのですが、順番にお送りしたいなと思います。

新しいお客さんが増えるなら、当店だって損をするわけじゃないです。
広告費だと思えば、むしろ誰が買うかも保証されないところに10万円渡すより、今なら被害があった場所で使われる方がいいに決まってます。

そして、何もできないと無力感に苛まされる人が、普通にお買い物をすることでいつもの冷静さをちょっと取り戻したら、もっといい事ができるようになるはずです。
周りの人をはげまし、冷静に健康に暮らし、疲れたり傷ついた人を受け入れるだけの「安全の厚み」を作ることができます。

何もなかった場所の人は、その日常を守らなくてはいけません。
なんとしてでも!

それは傷ついた人が逃げてくる安全な場所を確保するという、とても大切な仕事なのです。

帰る場所が、どこかにある。
ここじゃないかもしれないけど、必ずある。
きっと誰かが助けに来てくれる。
それを作るのは、安全な場所にいる人です。

寄付に参加した皆様は、どうか少し冷静になって、そのことを思い出してもらえたらと思うのです。
寄付をしたから終わりじゃなくて、ここからがきっとはじまりです。冷静になって、落ち着いて、日常をきちんと守っていきましょう。
それはいくつもの災害を体験した私たちにしかできないことでもあります。

「寄付をするなんてすばらしい」と当店をお褒め頂くことは、不要です。
褒めないでください。
そうじゃなくて、普通に、落ち着いた日常を思い出して、その中で普通に購入した手帳を楽しんでほしいと思っています。

で、手帳がよかったかどうかのほうが、どっちかというと当店的には先々においてすごく重要なので!!!

なにとぞ今後ともよろしくお願いいたします!!!!