月の満ち欠けを基準にしたカレンダーを作って手帳にして販売しています、と言うと、よく言われるコメント。
「なるほど太陰暦ですね」
いや、あの、違うんです!
ムーンプランナーは新月と満月からページがはじまるので、月の朔望(さくぼうといいます。満ち欠けの事ですね)が基準となる太陰暦カレンダーなんだろうなと思われてしまうことがたびたびあります。
でも、ムーンプランナーは太陰暦ではありません。
単純に今の暦、普通のカレンダーです。
もうちょっと詳しくいうなら、世界各国で一般的に使われている太陽暦のひとつ、グレゴリオ暦です。
日本は明治時代に旧太陰暦からこの太陽暦であるグレゴリオ暦へ変えました。
1873年の事だそうです。
そう考えると、明治時代はすさまじい変動の時代だったのだなあと思います。
「はい、じゃあ今日が元旦です!」
「えーーー???」
みたいなことが、平気で(平気ではないでしょうけど)行われて、今に至る訳です。
月の満ち欠け手帳というと、中には「昔の太陰暦に戻って、日本人らしいリズムで暮らそうってことですね!」と勘違いされる方も多いのですが、ムーンプランナーはそういう手帳ではありません。
運勢のいい日、悪い日を調べる手帳でもありません。
単に、月の満ち欠けの様子が手に取るようにわかる、というだけの手帳です。
これは単純に、私たちが今生きている時代はこの暦を使っているから、この暦になっている、というだけです。旧暦を知りたい人のための手帳ではなく、今を生きる人が毎日の予定や日記などを書き留めるための手帳です。
現代社会には当然数々の問題がありますが、それを単純に「昔はこうだったのに」という考え方だけで過去の方法論を引っ張り出してきても、実はあまり解決には結びつかない事が多いです。
それこそ時代が変わってしまったのだから。
今を生きることしか、私たちにはできないのです。
太陰暦だと新月が1日になります。でも、ムーンプランナーはいつものカレンダーの日付です。
今の社会で生きながら、ちゃんと自分のリズムや自然のリズムをつかむことは、きっと可能だと思っています。
むしろ、今の社会でなんとかして生きていくためのリズムをつかむためのきっかけとして、ムーンプランナーが役に立ったらいいなあと思っています。
毎日が決まりきったカレンダーで息苦しく感じることもあるでしょう。
少なくとも、わたしはその息苦しさを感じていました。
時計がなくても電車はピッタリにやってくるし、テレビは何日の何時だとうるさく伝えてきます。曜日だって、近所のお弁当屋さんの日替わりメニューでわかっちゃったりします。
そんな中から少し抜け出したいけれど、それを壊してしまいたいわけじゃない。
そこから外れる方法も、すぐに会社を辞めるとか、別の人と結婚するとか(!)なんかこうドラマチックな展開があったらあったでものすごく大変なことも想像できます。
でも手帳なら、そんな大きな変化はなく、そっと無言で日々を違う角度から見せてくれる。
無理やり古い時代の暦に戻したりしなくても、それができる。
わたしは、ムーンプランナーがそういう手帳になっていったらいいなと、ずっと思っています。