Twitterのほうでいろいろつぶやいていて思ったんですが、「引き寄せの法則」に興味をひかれて、同時につまずいて、必要以上に苦しんでいる人が多いように思ったのです。

正直、引き寄せの法則はムーンプランナーとは何の関係もないんですが、新月の願い事などはちょっとそこにかぶるような活動だし、そっちほうから入ってくる人もとても多いので、一度ちゃんと考えてみたいなと思いました。

引き寄せの法則は、確かにすごい。
考えたことが実現したら、どれほどいいだろう。
「恋も仕事もお金も引き寄せる」と銘打ったムック本まで出ている。しかもファッション雑誌のSWEETとかの別冊で!いやもともと占いMOOKをよく出しているから驚くほどでもないのかもしれませんが、それにしても一般化してきた感じです。

これですごくうまくいっています!という人はそれでいいと思います。
何の問題もないどころか、よかったね、おめでとう!です。

でも。うまくいかない。
本に書かれたことをやってみた、でもイマイチこれといった感じがしない。
これこそが一縷(いちる)の望みのような気がするのに、何にも変化がない。
考えれば考えるほど、苦しくなる。

という人が、結構いる。

うーん、個人的に思うんですけど
引き寄せの法則は、ぜんぜん簡単じゃない!

引き寄せの法則では
①叶えたい夢をリアルにイメージする
②いつもポジティブな状態に自分を保つ
③夢が叶う
という流れらしいのだけれども。

つまり、考えただけでそれが現実になる、大変手軽な方法というイメージを持ってしまっている人が結構いるようです。

えー、これ、絶対むずかしい。

まず、叶えたい夢をリアルにイメージするって、すごく難しい。
なぜなら、それは「本当に自分が望んだ夢や希望や目標ではない事を、さも自分が望んでいるかのように思わされている」事がすごく多いからです。

たとえば、親の期待
いい子でいなくては、くらいのレベルから、結婚して孫の顔を見せなくてはというものまで多種多様だとは思いますが、親の願いを叶えるために自分が動いてしまっているということは良くあります。それも自分の願いだと思っている事も多いでしょうが、厳密には違います。
一番印象的だったのは、不妊治療をしていた女性が自分の母親の死をきっかけに全く不妊治療を続ける気力を失ってしまったというエピソードです。自分が子供が欲しかったのではなくて、母親に子供を見せたかったからがんばっていたのだと気づいて、無気力になってしまったというのです。なんと言ったらいいか、言葉がなくなります。

また、この世は広告にあふれています。
極端な例ですが「ピアノを弾けるようになるとモテる」といわれて、モテたいがためにピアノが弾けるよう努力してしまう。その時の願いはピアノが弾けるようになりますように!です。
でも、本心はモテたい!モテて、さらにいうなら、自信が欲しい。ピアノなんかどうでもいい。
本当の願いは、どんな場所でも堂々と振る舞える自信が欲しい、なのに、モテたい→ピアノを弾けるとモテる(というピアノメーカーの広告)→ピアノが弾けるようになりたい、みたいに表層の願い事はゴリゴリに変化してしまいます。
しかも、うまい広告は一種の興奮状態に陥れますので、それが本当の願いのように錯覚してしまったりして…。

そしてますます本当の自分の素直な願いには気づけなくなっていく…。
あるいは、間違った願いを延々と願い続けさせられてしまっている(そういう人がいると儲かったり、楽ができたりする人たちの策略で)。
だって別にダイヤモンドのピアスなんかなくても幸せじゃないですか。それでもダイヤのピアスが欲しい、というのは、ダイヤのピアスを持っている人が幸福な人だという広告をどこかで見て、その価値観を採用しているからです。

他にも、常識にとらわれている場合も多いです。
それが良い常識ならともかく、「女の子は25歳までに結婚できなきゃいきおくれ」という常識はすでに過去のものになっていますが、そういう時代からずれている常識がアップデートできずにずるずると亡霊のように生き残っているとかもあります。そういう間違った常識の通りに人生を設計しないといけないと誘導されている人も多いです。それこそが常識のもつ力だから。

いやいや、難しい。
最初の「願う」時点で、これだけ難しいのです。

さらに、そうやって強く願って、いつも上機嫌で、ワクワクして、ポジティブな波動を出し続けなくてはいけないらしいじゃないですか!

無━━ヽ(`゚д゚lll)ノ━理━(`゚д゚lll)乂━━!!!

(li′□`)Ъ゙ ㍉㍉㍉㍉㍉㍉

なんですかね、その無理ゲーは。
ふざけんな。
あ、もうこの時点で、悪い波動になっていますね?

これをつとめて「ワクワク」とか「ポジティブな」とかやるのは、結構ツラい。意図的に頭ぱっぱらぱーにしても、結構大変。

つまり、引き寄せの法則って考えただけで夢が叶う、現実になるという努力なしでズルしてうまいことおいしい思いをしてやろうっていう感じでは、正直できないくらいむずかしいのです。

できなくて当たり前です。

「引き寄せの法則は知っているのにぜんぜんできなくて、すごく悩んでいて」みたいなコメントも頂きましたが、できなくて当たり前だと思います。

それに悩むべきポイントがすでにおかしくなっていませんか?
夢をかなえたい、達成したい目的があるのにそれができていない事を悩むのではなくて、引き寄せの法則がうまくできないから悩むって、あれ?これってあれですよ、手段の目的化です。引き寄せの法則がうまくできなくて悩むんじゃなくて、夢が叶わない事を悩むべきでは!?
そんなところに悩む必要は皆無では!?

引き寄せの法則の罠その1は、
簡単にできると言われているけど、あれは相当むずかしいということです。

じゃあ、なんでこんな難しいのか?
ほしいと思っていることが本心とはちょっとずれているという目標設定の時点で何かがずれている事と、それに気づけないという事。
それに、いつもポジティブにいなくてはいけないという事がさらにストレスになっているケースも多くあるという事。
こんなことがとりあえずあげられますが、ほかにも重要な難しくしているポイントが存在しているということを、ちょっとしっかり考えてみたいと思います。

次は「そもそも引き寄せって言葉がちょっと違和感あるよね問題」について考えたいと思います。

 

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