水星逆行、あまり耳慣れない言葉です。
一方、ちょっと占星術をかじるとすぐに出てくる専門用語っぽいやつなので、一部ではメジャーな言葉であったりもします。

水星逆行は、年に2、3回程度起こります。
このとき以下のようなことが起こると言われています。

・情報が混乱する
・交通が乱れる
・やり直し、手直しが必要になる
・コミュニケーションが混乱、勘違いや行き違いなどの頻発
・計画が前に進まない
・為替相場が乱れる
・デジタル機器の故障

 
これは水星の支配領域に当たる部分が前に進まず、後ろに戻るような状況になるためといわれます。
水星は、コミュニケーションや交通、旅行、流通、言語、商取引などを支配するそうです。

通常、惑星は時間とともに一方向へ進みます。
地球の自転と公転の仕組みから、水星や金星や木星が空を横切っていくように見えるのですが、時々それが後ろへ下がっていくように観測される時期があります。
これが理由で「惑星」、惑(まど)う星という名前が付きました。
この後ろに下がって見えることを「逆行」といいます。

つまり、惑星は水星以外にも、水金(地)火木土天海冥ぜんぶ逆行するということです。
地球だけは見えませんね、みんな地球にのっかっているから。
もちろん、恒星の太陽と衛星の月はそのような軌道で動いていないので、逆行現象は起こりません。
水星以外の惑星の逆行時も、それぞれの惑星の支配領域で混乱ややり直しが起こるといわれています。金星なら恋愛やお金、身近な楽しみ事、火星ならスポーツや勝負事などです。でも一番足が速いため、一番多く逆行するのが水星です。

水星逆行の時は、どうなるの?
というと、別にどうにもならない人も多いと思います。
個人的な感覚だといつもより電車の遅延が多かったり、仕事の書類がなぜかことごとく間違って作りなおしたり、送り先の住所が違って戻ってきてしまったりということがヤケに多いという感覚はありました。

これも月の満ち欠けと似たようなもので、水星逆行してるからうまくいかない!というものではないようです。

現代は「早く進むこと」「成果が出ること」に重きが置かれるので、後ろに戻ることはあまり誉められません。
でも、やはり「後ろに戻る」ということは、それなりに意義があると思います。
いえなかった一言をずっと引きずっていた、それをいうチャンスが巡ってくる。これいいなと思っていてもその時はできなかった事が、今ならできるという状況で再度現れる。そんなことも、後ろ戻りの御利益。

水星逆行の時期は、見直しとかやり直しとかをして完成度を高めるような作業のチャンスが回ってきます。
そう思うと、かなり有効な期間だといえると思うのです。

 
水星逆行中におすすめの事

・しばらくご無沙汰してしまったところに連絡してみる
・いつかやろうと思って後回しにしていた事をやってみる
・古いノートなどを見直す
・一度読んだ本をもう一度読んでみる
・間違いや先延ばしになっていた問題を解決する(ここぞとばかりに!)
・データのバックアップ(デジタル機器故障が頻発するといわれます)
・思い切ってお休みにする
・もう一回、確認や見直しをする
・失敗や間違いを責めない(自分も相手も)

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水星逆行と相場の話

相場=株とか為替とかの世界では、かなり占星術が重要視されています。
もう本当に真面目に研究されているのです。世界的に!
正直わたしは金融には全く疎いのですが、ムーンプランナーを作り始めたときに「これはいい」とお買い上げになった方が、金融のプロでした。
他の人に「月の満ち欠け手帳を作ります」と説明しても半分以上の人がぴんときていなさそうな顔をしている中で、にこにこと「これはいいですね!」と仰っていたのも印象的でした。
お聞きすると、やはり相場関係者で月の満ち欠けなどを気にしている人はそれなりにいるそうです。ムーンプランナーを二冊買って、興味を持っている人に見せたりあげたりして話のネタに盛り上がるのだと仰っていました。

そこで、少し詳しくお話を伺う事にしました。

5、60代の男性で、長く専門的な金融の仕事をされていた方です。
スポーツマンで、人当たりはソフトですが体育会系なところもお持ちです。
それだけ聞くと、むしろ月の満ち欠けの手帳には全く興味を持たれないのではないか、というような気がします。なので、どうして月の満ち欠けや水星逆行について知ったのかがとても不思議でした。

きっかけは、とても見立ての鋭い若い同業のご友人が新月や満月、水星逆行について話していたことがきっかけだった、とのことです。
非常によく見立てが当たるので、理由を尋ねたところ「その日は新月ですから」と言われて、そこから知ったのだそうです。

何度か繰り返されていたのが、
「相場も人がやることですからね。人の営みなので、自然の摂理には逆らえないと思っています」

水星逆行時は、相場が乱れるといわれています。
またチャートの底と天井が入れ替わるあたりは、新月や満月が重なることも多いようです。

「水星逆行については、いろんな事があちこちにかかれていますけど、ぜんぜんでたらめだという人もいます。実際には特にこれといって注意している訳ではないですが、水星逆行の時は予想外のことがある可能性もあると考えて相場をみています」
相場については全く理解がないので、とにかく人がお金を出してなにかに値段を付けている、というふんわりしたイメージしかないのですが、専門家は外国の政府が発表した数値や、なにやら難しい数式の分析をして、それを予想しているのだろうと思っていました。
その点についてもこんなコメントをもらいました。
「それはもちろんなんですが、ちゃんと相場をみていると、底を打つコツンという音が聞こえることがあるんですよ。それか、てっぺんにあたるピーンという音。これ、わかる人にはわかるらしくて、電話をかけて「今、コツンていった」「言った言った」っていう、他の人にはわからない会話をしたりしますよ」
コツン?
その音はどうやったら聞こえるようになるんですか?

「うーん、ある程度自由に自分で考えて、自分で決断する環境である事が必要だと思います。データだけをみて、会議で決められた指針だけに沿って相場に関わってもコツンやピーンは聞こえない」

自分で考えて、自分で決断する。
「当然、当たるときも、はずれるときもありますよ。ただ新月や水星逆行は何らかのきっかけやサイクルであることは間違いないんです。人も自然の一部だから」

月の満ち欠けを追いかけていると、とかく人はナーバスになりがちです。
満月だから不幸なことが起こるのか、蝕には悪いことが起こるのかと、些細なことで不安になったりします。
でも、そうじゃない。
大事なことは、やっぱり自分で考えて自分で決断すること。
その時に、自然のサイクルはやっぱり働いていて、それはいいとか悪いということでもない。

「それとね、結果は後にならないとわからないのです。最善を尽くしても、それが成功したかどうかはわからない。『わからないもの』もこの世界にはあるということです」

そのわからない世界の中で仕事をし、実績を積んできた人にしか言えない言葉があるのだろうと思いました。

人は結局、自分の人生が『わからない』ものなのだと思います。
未来のことは、予想したとしても実際はわからない。
うまくいったと思っていたことも、10年たったら悪いことの原因になっているかもしれない。そんなことは、わからないのです。

わからないから、月の満ち欠けをみたり、空を惑う水星の動きをみたりして人々は予想してきました。古代からずっと、必死に。
その名残は今もしっかりと私たちの日々の中にあります。
1000年たっても、人は未来がわからないのです。

そしてそれに対抗していくのは、自分で考え自分で決断するしか、今のところ方法はなさそうです。

月の満ち欠けも、水星逆行も、「わからない」世界を自分で考え、自分で決断して生きていくための、小さなしるしなのかもしれません。

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